PERCY'S DIARY

喉が渇いた

第5回ニコ技深圳観察会 1日目

8/14(0日目: http://percy.hatenablog.com/entry/2016/08/23/223223
8/15(1日目: http://percy.hatenablog.com/entry/2016/08/29/155303
8/16(2日目: http://percy.hatenablog.com/entry/2016/08/29/235223
8/17(3日目: http://percy.hatenablog.com/entry/2016/08/30/161918

0日目より

シェラトンホテル集合

シェラトンホテルを9時に出発.


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バスで点呼始まる.ここで来てない人は後々自力で合流するシステム.すべては自己責任なのだ.

バスの中では高須さんによる,Seedstudioの簡単な紹介が始まる.


(メイカーズのエコシステムをまだ読んでないので至らない点あるかも.)
クリス・アンダーソンが定義する「メイカームーブメント(Maker Movement)」というのがあり,

メイカームーブメント(Maker Movement)とは、ウェブ世代が現実世界と交わるところがあり、世界中のガレージがオンライン化し、「仕事」と「デジタルツールの利用」を同時にすると起こるムーブメントで、デジタルファイルやCADや3Dプリンターなどを使う、デジタル製造の潮流を指すトレンドのことであり、「第三の産業革命」とも言われる。(Wikipediaより)

そのメイカームーブメントに参加する個人を「メイカー」と呼ぶそうだ.

実際,3Dプリンタの登場で簡単にモノをデザインすることができるようになったし,Arduinoなどのオープンソースハードウェアのおかげで,個人や小規模チームでも製品化ができるようになってきた.
で,いざ製品を作るとなると必ず基板が必要になるが,メイカーたちが発注する枚数なんてたかが知れてるので,普通の企業にとっては美味しくない話.普通は,たくさん作って安く売るのが基本で,たくさん作るためには大きな機械入れてたくさんの人数を雇ってる.大量の基板の発注を受けて,またそこで利益がでたらさらに規模を大きくして・・・と,どんどん受け入れる枚数が大きくなっていって,メイカー達のような小ロットの案件は普通相手にしない.儲からないから.

Seed Studioは,逆にその小ロット案件を専門にした基板屋という形をとった.
でっかい機械で大量に作るんじゃなくて,多品種にわたる部品を人の力を利用してさばいた.
小ロット案件を支えているのは,熟練工による手作業で,これがなかなかロボットにはできない.
多品種にわたる部品の区別は難しく,ロボットが発達しても,なかなか熟練の「目」はマネできない.

また,18歳で田舎から深圳に出てきた若者が25歳には立派な熟練工になる.
熟練工を若いうちから育てあげられるのも,深圳ならではの特徴だと思う.
個人が利用しやすいように,オンライン見積もり,PayPalを使ったオンライン決済を徹底している.

ちょっと面白いところが,Seed Studioはオープンソースのデータしか受けない.
もし,受け取ったデータが面白そうなデータであれば,Seed Studioからオファーが来るらしい.
これ作っちゃっていい?みたいな.
あとは,たくさん同じような発注がきたら,これ売れてるみたいだから作ろうってなって勝手に作って売ったり.

他にもSeed StudioのオンラインStoreに自分が作った製品を置いてもらうこともできるらしい.
8-pinoとかがそうで,オンラインStoreでの売り上げの何パーセントかがちゃりんちゃりんとSeed Studioに入っていく仕組み.

そうやって,Seed Studioは趣味とビジネスの垣根を低くしてる.
以下の記事に高須さんがSeedについて,さらに詳しく記事をまとめられている.
今、深圳のモノづくりがヤバい。中国の“Makerスター”、エリック・パンが生んだすごいエコシステム【連載:高須正和】 - エンジニアtype

Seed Studio


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到着.自力で来るのはほぼ無理ゲー



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受付


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見学スタイルに着替える.



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手作業

通電チェックやら,はんだ付けやら手作業でやってるところ.
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奥の部屋では製品の検品をやっていた.なかなかの量.
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プレゼンとたくさんの質疑応答.すげー面白かった.

初めて知ることが多すぎて,テンション上がりっぱなし.

工場を作るだけなら,別に深圳でなくてもぶっちゃけ同じことができる.
だけど,深圳に工場を作る.
なぜか?
深圳ブランドがあるから.
世界の中でもスピーディーにハードを作り上げる環境が整ってるから,世界中の人が集まってくる.
世界から注文がくる.
第二の深圳が例え日本にできても誰も集まってこない.
第一の,深圳だからこその価値がある.

とにかく良いものはなんでもパクる.
それが例え同じ深圳の会社だったとしても.
良いものはパクる.
だから,アイデアのシェアのスピードも早い.

これが良いのかどうか,正直僕にはわからない.
パクられることで,もしかするとその分野は全体として盛り上がるから,結果としてはいいのかもしんない.
でも,一番最初に思いついた人がリスペクトされないのは,なんだか残念だなぁ.

どういう結果にしろ,今後10~20年で深圳がどのように変化していくのか,目が離せない.


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お昼ご飯は,普段工員さんが利用しているお店.


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どん.このご飯に,炒め物をぶっかけた感じ.たまらん.これで300円ちょっとくらい.うまいわ.ほんとうまいわ.こんなの毎日食ってるの羨ましい.

プリント基板製造工場 景豊電子

次は,実際に基板が作られている工場へ移動.14:20着.


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プリント基板製造工場.

プリント基板の製造工程がweb上に載ってた.
これ見てから見学したほうが,より面白いかも.
プリント基板製造工程|システムギアダイレクト

パターンを焼き付けてるところ?
ミリ精度のセッティングを求められるので,かなりむずかしい作業だとか.
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どんどん基板ができていく.
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通電チェック.エラー率にビビる.あと,手を挟まれないのか不安.
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修正しているところ.焼き切ってる?カッターで削ったり.
深圳 プリント基板製造工場 2016/08/15 02 - YouTube

シルク印刷かな?
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薬品洗い流してる.
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基板切り取ってる.かなり危険.
ただ,中国の人は進んでこういった仕事を引き受けるらしい.
給料が良いのと,こういう危なっかしいのが好きなんだとか.
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ドリルで穴をあけてる.
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NXRobo

16:00に南京大学産学連携基地に来ました.
ここで,ロボットベンチャーのNXRoboに訪問.

以下のような,家具みたいなホームロボット「Big-I」を製作している.
www.digitaltrends.com


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Big-I

大学内にスタートアップのオフィスあるのいいなぁと.
ただ,話を聞いている感じでは,それほど学生とコミュニケーションをとっているわけではない?
CEOのLAMさんが大学で博士を取っているらしく,その関係でこのオフィスを借りているのだとか.
LAMさんはまだ30歳.
発案からたった1年で,このレベルのものを作り上げているのだからほんとすごい.すごすぎる..
外装のフレームは全部3Dプリンタで製作したとのこと.

反応にははっきりとした遅延を感じるし,家電との連携には課題がたくさんあるだろうし,実用的かどうかと考えると,正直まだまだかもしれない.
ただ,世界にいる物好き1000人くらいには売れるんじゃないかと感じる完成度.
これから得られる資金や実績をもとに,もっともっとクオリティの高いものを世に出していって欲しい.楽しみ.


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集合写真

川奈 江浙菜

19:00より,晩ご飯.


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川奈 江浙菜

中国のご飯にハズレ無し.
ほんとおいしい.

エビが転がっとるw
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今回,Fablabの方と隣になり,fab academyなるものを教えてもらった.
Fab Academy
HowToMakeAlmostAnything2010
【from Kamakura】 YumiちゃんのFab Academy 2015 体験記 | FabLab Japan Network


授業料年間50万円(半年だったかな?)で,Fabに関する授業をオンラインで受けられるのだとか.
授業は週1.

卒業する頃には,大抵のものを作り上げられる力がつくとか.
九州大学では,この授業を受けることをすすめているらしい.
ものすごく興味がわいたけども,授業料がきつすぎるので断念.補助とかないのかな.

今回は,FAB12 Conferenceというものがツアー前日までにあったらしく,それ関係の参加者が多かった.
Fablabのコミュニティがこれほど大きくなっているとは知らず驚いた.



そういえば,地下鉄で驚いたのが,電車の窓の外側に見える広告が動画になっててビビる.
めっちゃ横に長いディスプレイの映像が,電車の速度に合わせて変化してる感じ.
フツーに動画としてみれる.

2日目に続く.




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