PERCY'S DIARY

喉が渇いた

第5回ニコ技深圳観察会 2日目

8/14(0日目: http://percy.hatenablog.com/entry/2016/08/23/223223
8/15(1日目: http://percy.hatenablog.com/entry/2016/08/29/155303
8/16(2日目: http://percy.hatenablog.com/entry/2016/08/29/235223
8/17(3日目: http://percy.hatenablog.com/entry/2016/08/30/161918

1日目より

8:30 シェラトンホテル出発

Shenzen Open Innovation Lab

10:00 Shenzen Open Innovation Labに到着.


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Shenzen Open Innovation Lab

メイカーのための機器が揃ってる.
youtu.be


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でかい木材なんかも切れる.


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隣の部屋も広い.

なんとこれ全部無料で使えるのだ.(外国人の僕でも!)
こんなまともな機器を日本で使おうとしたら,平気で何万飛んでいくんじゃないだろうか.
ていうか日本で最安でしっかりとプロトタイピングするならどこがいいんだ.

こういったスペースのメリットは,人を繋げてくれること.
例えば,深圳のことなんて全然わからないけど,なにか具体的に作りたいものがある僕がここに訪れれば,関係ある人に繋げてくれるのだ.素晴らしい.

国がこういったところにしっかりと投資してる.羨ましい.
国は,なぜメイカーが必要なのか?といった部分を理解していて,教育から変えていこうという動きが実際にある.
モノを作って,実践的なモノづくりの経験を養っていく.
そういったことを通して,モノづくりに興味を持つ子が増えていく.素晴らしい.

学校にfablabもどきみたいなのを作る動きもあるらしい.
例えば,カリキュラムの図工の時間を増やすとか.
深圳だからこそ,工学に特化した教育を推し進めていく.
ここまでやられると,10~20年後のモノづくりは圧倒的に日本負けるんじゃないの,とか思っちゃう.
作りたいものがあった時に,簡単に作れる環境,知識を持ってる.いいなぁ.

indare

同じビル内にあったデザイン会社へ移動.

自分が抱く中国のイメージとは異なるおしゃれ感.
https://www.behance.net/inDareDesign


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DARE TO DREAM


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オフィスおしゃれ


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Barある


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スケッチ

メイカーが実際にプロダクトを作った時に,そのデザインのブラッシュアップを請け負っているようなところ.
デザインについて熱く語ってる他の参加者の方のブログ記事を貼っておきます.
Miyakojima Factory: 第5回 ニコ技術深セン観察会に参加して感じたこと
デザイナーが見た深圳 2016 – Medium

Maker Space

11:50 MakerSpaceに到着.
おしゃれな雰囲気の街の中にあった.
場所のチョイス良いですなぁ.


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CHAIHUO MAKERSPACE


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はんだスベース


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深圳にはこういったメイカーのためのスペースが200くらいあるのだとか.ほんとに?笑
深圳は,こういったスペースを活用してモノづくりに没頭できる.
実際に,深圳を気に入った外国人の方が住み着いていた.
ちょっと記憶は怪しいが,16歳くらいでこちらにきて今4年目くらいになるような子がいた.
深圳の魅力がここにもある.

"Don't be bored, Make something."という言葉を頂いた.

深圳のバイオレット・スーが教えてくれた、Makerムーブメントの本質(後編)【連載:高須正和】 - エンジニアtype

お昼ごはん

12:30ごろにお昼ご飯.うまし.


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突然強い雨が降ってきたので,しばしお店で待機することに.
深圳って緯度的にほぼベトナムあたりだから,突発的な強い雨が多かった.
深圳に行く際は,傘を持っていくことを強くオススメします.もしくは現地で買っておく.

Makeblock

中国政府ががつんとお金を入れてるハイテクパークに来ました.
15:15ごろにMakeblock到着.


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ビル

Makeblockは電子工作が入ったレゴみたいな感じ?
ただ,マインドストームよりも,かなり高度なことができる.
以下の動画を見ていただければわかるかと.
とにかくなんでもMakeblockで作れる!
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Makeblockで作成された作品達 その1


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Makeblockで作成された作品達 その2


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部品たくさん.かっけぇ.欲しい.


社内が思ってたよりかなり広い.まだ立ち上げて5年ほどなのに.


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社員さんがなにか作ってる



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作品を撮る場所とかある.これ必須だよね.



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あ,高須さんの部屋


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CEOのJasen Wangさん.まだ30前半.若い.

Makeblockの面白いところは,オープンR&Dみたいなところ.
社外の人とか呼んじゃって,みんなでMakeblock使ったモノづくりコンテストをしちゃう.
そこで面白いものがあればキット化して売っちゃうっていう(笑).
すげー面白いアイデアだったらキックスタータ―なんかにも出しちゃう.

一応,子供の教育用ってことで作ってるらしんだけど,よく売れるのはおっちゃんである「おまいら」らしい(笑).
それをどうにかしたいみたいで,子供が遊ぶためのロボットとかあったよ.

このテニスのボールだしマシーンはびびったw
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JENESiS

16:50ごろに日本人の方が経営しているJENESiSに到着.


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社長の藤岡さん直々のプレゼン!

JENESiSは電子機器の受託生産サービスを行っている(EMS.恥ずかしながらEMSって言葉を知らなんだ.).
他の中国にある工場がやりたがらないような検査,検品をしっかりとやり,高品質の製品を提供できるという実に日本らしい部分が強みらしい.

深圳では,とにかく安い部品をスピーディーに確保することはできるけど,当たり外れがでかい.
なので,しっかりと一つ一つの部品の動作をチェック.
そして特に他の企業と違う部分は,組立て後のチェックの後,実際に6時間程度製品を稼働させて,もう一度チェックを行うらしい.
こんな風にエイジング後にしっかりとしたチェックを行うため,高品質の製品を提供できるというわけだ.

しかもビックリすることに,無償修理を行っているのだとか.
普通の中国の企業は船に乗るまで保証ってのがほとんどらしい.
JNESiSでは,製品を送り返してもらって,ちゃんとハードかソフト化,部品必要か,ハンダで直せるのか,確認し,修理する.いや,まじ,すごい.

そして,工場見学.


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見学スタイル

工場の中はめっちゃくちゃ綺麗でした.え,ここ深圳?って感じ.
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湿度を保つために,加湿器がたくさんありました.


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高さ制限とかしっかり書かれてて,日本っぽいなと.

ダンボールの紙粉が入ってこないようにダンボールは全部別の部屋に置かれていました.
中国のダンボールはがクオリティが低らしいです.
他にも,天井の素材からこだわっていたり,気圧や湿度も徹底的に管理されているらしいです.


そして,ここからの質疑が超絶面白かった.

  • ハードウェアスタートアップ支援

 スタートアップの支援もやっているらしんだけど,ホント儲からないし正直やりたくないらしい.
スタートアップだから,世の中にないものをもってくるし(スクラッチ開発),生産数も少ない.

スタートアップは発注から面倒だとか.
みんな秋月やデジキーなんかのリストを作って送ってくるらしい.
もうそんな状態から深圳で部品探してたら発注だけで半月かかっちゃうとのこと.
商品は,こっちで集めるから黙っててくれって場合が多々あるらしい.

ベンチャーから提出するのは最悪CADの3Dとかだけでもいいらしい.
設計や試作の会社は紹介できるとのこと.
自分たちのチョイスでモノを作れるほうがやりやすいとのこと.

で,どうしてそんな儲からないし面倒な仕事を続けているのか.
藤岡さんは黒子に徹する決断をしたからだ.
イデアを持ってる人がどんどん外に出していってくれないと,うまいくものも出てこない.
投資と一緒で,タネをまいておいて,うまくいった中から,将来的に一緒にビジネスをやっていく仲になれればと考えているとのこと.
心を打ったのが,「我々の世代が次の製造業を引っ張っていきたい.」とのお言葉.
自分の手を動かして,モノを作ってる人達をバックアップしていきたい.そういった想いがあるらしいです.かっこいい.

他にも面白い話がたくさんでたんだけどブログにはちょっと書けない内容.残念.

  • 深圳と日本のハードウェアスタートアップの違い

 日本のスタートアップはクラウドファンディングにウケるために動画制作に力を入れてたり,デザインをすごく拘っていたり,サービスがきめ細かかったり.
もちろんそういったデザインは重要だとは思う.
ただ,雑草な感じがない.らしい.
たまに衝突して,時には厳しいことを告げることもあるみたいです.

深圳のスタートアップは突き抜けてて.業界をひっくり返してやろうっていう奴らが多い.
実際,3日目に訪れたHAXというアクセラレータが関わっているプロジェクトでは,キックスタータ-の億越えプロジェクトが6つもあった.
HAXでは,世界中から人が集まってきてるんだけど,日本からの参加は残念ながら1つだけとのこと.

身近にハードウェアスタートアップの方が何人かいらっしゃるので,日本のハードウェアスタートアップもどんどん盛り上がれば良いなと思う.難しいだろうけど.

 ITデバイスに限ればまじでなんでもできる.
30分以内にすべてある.
製品作るときも,ほぼほぼモジュール化されてるので,人海戦術に頼らなくても製作できる.

  • BtoB

 BtoBに絞っているのは,為替の問題があるらしい.
為替が動いただけで大損したことがあるらしい.
というのも,BtoCだと製品の価格が決まっちゃってるので,為替が大きく変動しちゃっても,その値段で出さないといけなくなる.
だけど,法人相手だとそこら辺の融通がきく.

  • 中国人の仕事について

 ぶっちゃけ中国人は製造業向いてないとのこと.
ディティールが見えてないらしい.
もうなんていうか,ほんとに見えてないらしい.
説明しても,どれだけ訓練を積んでも,最後の5%の部分はどうしても変わらないらしい.
生活習慣が違う.
果物の食べかすは床に捨てるもの.それが普通なのだ.
こういったところからくる部分は変えることはできない.

職員は女性で,20代の若い方がほとんどだった.
なぜ男性がいないのか?
中国の男性は野心的な人が多いかららしい.
なので,団体行動が向いてないのだとか.
賄賂とかあったらしいんですが,そういったことも減ったらしいです.

若い職員は田舎から出稼ぎに深圳にやってくるようです.
なので,彼女たちの目的は家にお金を送ること.
お金を稼ぎたいので残業がないと不満が溜まるらしいです.なんと.
家賃は東京よりも高いので,会社の寮(ルームシェア)に入る.
そのため,家に帰ってもすることがないからとにかく働きたいらしい.
で,正月には必ず実家に帰るらしいんですが,その時にお見合い,結婚を決めてそのまま次の年には来なくなるっていう話は多々あるらしいです.
離職率は7割くらいらしいです.
そしてびっくりした話が,日本の派遣業よりも中国の方が賃金が高いとのこと.
中国人は日本人よりよく働くらしく,言い訳をしたりしないとか.
逆に日本人は「でも~」となにかと理由づけすることが多いらしい.

  • 値段目安

 なにか自分の中にアイデアがあって,それを1000個ほどつくろうとしたら.スクラッチで700万くらいだとか.

晩ご飯

 19:20 晩ご飯のためお店へ移動.


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深圳名物らしい.鳩.臭みもなくうまかった.気づいたときには頭しか残ってなかった.

 途中で警察が来て,大移動した.いい思い出w
youtu.be



晩ご飯でも藤岡さんの話は超絶面白かった.

  • ホワイトカラーの社員さんがやめていった話

 中国人の仕事選びは,やりがいとかより圧倒的にお金.
一時期,ホワイトカラーの職員がバタバタとやめていって頭をかかえた時期があったらしい.
原因は,単純に給料.
上海で出してる給料の半分しかだしてなかったことに,後々気づいたとのこと.
毎年給料はもちろんあげてたけど,日本の感覚と一緒で10%程度しかあげていなかった.
しかし,中国では物価が毎年10%以上あがっている.
これだととんとんというか,むしろ下がっている.
3年あれば給料が倍になるというのが,中国人の常識だったのだ.

  • 日本人が嫌われる理由

 日本人は理由もなく値切ってくるらしい.
これがめちゃくちゃ嫌われてるらしい.
本当にやめて,と藤岡社長.
私は一切値切りません,と藤岡社長.
あと,日本人のあの発注してやってる感をだす態度,あれはなんなんだ!と.

理由もなく値切るのは,ふっかけられてる気がするからなぁ.
何事も信頼関係か.

  • 中国人には期日に間に合わせるっていう感覚が全然違う.ない?

 最初の頃に苦労した話らしいのですが,来週明けに,絶対に納品しないといけないものがあったらしい.
で,いつものごとく工場に,絶対にいついつまでには完成するようお願いしますと頼んだ.
もちろん,むこうの返事はOKOK.
しかし,前の週の金曜日になってもできてない.
土日使ってなんとしてでも間に合わせてくれと頼み込む.
向こうの返事は大丈夫大丈夫とのこと.
しかし,土曜日に工場に行くと誰もいない.
焦ってその工場の寮に行って直接社員に頼み込む.
社員は,いや今から友達と予定あるから困ると.
で,仕方ないから近くのATMに走っていっておろせるだけのお金をおろし,現金手渡しで今からやってくれと頼み込んだらしい.
もちろん,向こうもそんな頼まれ方に対して良い気分なはずもなく,嫌そうな顔をするんだけど,その行動に仕方なく動いてくれてなんとか間に合ったらしい.
大変すぎる...


他にもたくさんのお話を聞けてスゲー面白かった.
というかほんと,たくさん苦労されたんだなーと.
重みを感じました.



ホテルまで遠かったので帰りはタクシーを使うことに.
タクシーが色によって行ける範囲が決まっていて途中で乗り継いだり.難しい.

帰りは,明治大の渡辺恵太先生と一緒になったので,Webmoのこととか,明治大の授業のこととか,自分の就活のこともあったんでアカデミックのこととかたくさん聞いた.勉強になりました!


3日目に続く.



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